天サイ!まなぶくん葛飾区版とは

「天サイ!まなぶくん葛飾区版」は、東京都葛飾区の地震災害や洪水災害等の防災情報や避難所情報をスマートフォンやタブレット端末で確認できる防災情報可視化ARアプリです。GPS情報と連動して、カメラで撮影した実写の映像に現在位置周辺の被害想定や避難所情報を合成して表示されますので、視覚的に被害想定やその施設等がある方向や距離を把握することができます。

アプリの開発背景

「天サイ!まなぶくん葛飾区版」は、国土交通省主催の防災アプリコンテスト第2回審査にて平成26年度防災アプリ賞を受賞した「ARハザードスコープ®シリーズ」の東京都葛飾区エリア版です。本アプリは、葛飾区、東京大学及び株式会社キャドセンターの共同研究開発によって制作されました。

ARハザードスコープシリーズは、2013年にAndroid版とiPhone版がリリースされて以来、全国の自治体や教育機関で防災教育のツールとして採用されています。国土交通省発行の土木白書27年度版にも先進的な取り組みとして掲載され、その有用性が広く認められています。

アプリの特徴

AR技術による視覚的な防災情報の体験

最大の特徴は、AR(拡張現実)技術を用いて、カメラを通した実写映像に防災情報を合成表示することです。画面の上半分にカメラ映像、下半分に地図が表示され、その風景にハザード情報が合成されて表示されます。ジャイロとコンパスを使っており、端末を動かすとその方向に合わせて表示の内容が変わり、現在見ている方向の防災情報を表示します。

危険度や浸水深などを5~6段階で色分けしており、上のカメラ実写画面では実写の風景の地面にその色を重ねて表示しています。これにより、「この場所がどのくらい浸水するのか」「どの方向に避難所があるのか」を直感的に理解できます。

オフラインでも利用可能

端末の通信ができないオフライン状況下でも、事前に端末に一時保存された地図を表示してアプリを利用することができます。災害時に通信が途絶えた場合でも、防災情報を確認できる設計となっており、実用性が高いアプリです。

現在地と連動した情報表示

GPS情報と連動しているため、自分が今いる場所の防災情報をリアルタイムで確認できます。学校周辺、自宅周辺、職場周辺など、移動しながら様々な場所の災害リスクを体感することができます。

収録されている防災情報

本アプリには、東京都葛飾区の以下の防災情報が収録されています。

洪水浸水情報

葛飾区では、洪水浸水想定に影響のある河川として、荒川、江戸川、中川、綾瀬川、利根川が挙げられ、本アプリでは、この5河川の「想定最大規模」、「計画規模」、「浸水継続時間」についての情報を表示します。

1. 洪水浸水想定(想定最大規模)

水防法の規定により定められた想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域、浸水した場合に想定される水深を表示しており、現時点の河道及び洪水調節施設の整備状況を勘案して、1000年以上に1度の規模の大雨に伴う洪水により河川が氾濫した場合の浸水の状況をシミュレーションにより予測したものです。

2. 洪水浸水想定(計画規模)

河川整備において基本となる降雨による洪水浸水想定区域、浸水した場合に想定される水深を表示しています。

3. 浸水継続時間

洪水により浸水が継続する時間を表示します。避難計画を立てる上で重要な情報です。

地震災害情報

東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査」の結果のうち、火災危険度と建物倒壊危険度を表示します。

1. 火災危険度情報

地震の際は火災への警戒も必要になります。火災危険度を5段階で表示します。

2. 建物倒壊危険度情報

地震による建物倒壊の危険性を5段階で表示します。

高潮浸水情報

高潮による浸水想定情報も収録されています。

避難所・避難施設情報

避難所や洪水緊急避難建物などの各種防災施設の位置情報を表示します。AR画面上で、避難所がある方向や距離を視覚的に把握できます。

活用事例

学校での防災教育

地元の小学校などで、「天サイ!まなぶくん」をインストールしたiPadで学校周辺の浸水状況を確認する授業が行われています。子どもたちが実際に端末を持って校庭や通学路を歩きながら、「この場所は○メートル浸水する」「避難所はこちらの方向にある」といった情報を体験的に学ぶことができます。

住民向け防災訓練

町内会や自治会の防災訓練でも活用されています。参加者がスマートフォンで自分の家や地域の浸水リスクを確認することで、「わがこと」として災害を捉えることができ、防災意識の向上につながっています。

メディアでの紹介

本アプリは、その先進性から多くのメディアで取り上げられています。日本テレビ系列「Oha!4」の特集「大雨災害に備える」(2022年7月18日放送)では、浸水状況を立体的に表現できる防災アプリとして紹介されました。また、NHK総合のテレビ番組「明日をまもるナビ」の特集「チャレンジBOSAIアクション 第10弾」(2025年5月4日放送)でも取り上げられ、全国的に注目を集めています。

川ごとに分かる浸水情報

本アプリの大きな特徴の一つは、河川ごとに浸水情報を確認できることです。葛飾区は荒川、江戸川、中川、綾瀬川、利根川という5つの河川に囲まれた低地帯であり、どの川が氾濫するかによって浸水状況が大きく異なります。

「天サイ!まなぶくん葛飾区版」では、それぞれの河川が氾濫した場合の浸水深を個別に確認できるため、より具体的な避難計画を立てることができます。例えば、「荒川が氾濫した場合は自宅が2メートル浸水するが、江戸川の場合は1メートル」といった情報を把握できます。

NPO法人「ア!安全・快適街づくり」との連携

NPO法人「ア!安全・快適街づくり」は、このアプリを地域の防災教育や啓発活動に積極的に活用しています。出前授業では子どもたちがタブレットを持って実際に街を歩き、水害リスクを体感する学習を行っています。

輪中会議でも、参加者がアプリを使って地域の浸水リスクを共有し、避難計画について議論する際のツールとして使用されています。このように、「天サイ!まなぶくん葛飾区版」は、地域の防災活動のプラットフォームとしての役割も果たしています。

アプリのダウンロード方法

「天サイ!まなぶくん葛飾区版」は、App Store(iOS版)およびGoogle Play(Android版)から無料でダウンロードできます。葛飾区にお住まいの方、葛飾区に通勤・通学されている方は、ぜひダウンロードして、ご自宅や職場、学校周辺の防災情報を確認してください。

防災を「わがこと」として

「天サイ!まなぶくん葛飾区版」の最大の意義は、抽象的なハザードマップの情報を、AR技術によって「目の前の現実」として体感できることにあります。数字や色で示された地図情報だけでは実感しにくかった浸水リスクが、自分が今立っている場所で「ここまで水が来る」と視覚的に理解できることで、防災を「わがこと」として捉えることができます。

災害リスクを「知る」だけでなく、「体感する」ことが、実際の避難行動や日頃の備えにつながります。「天サイ!まなぶくん葛飾区版」は、そのための強力なツールです。

お問い合わせ

「天サイ!まなぶくん葛飾区版」についてのお問い合わせは、葛飾区危機管理課までご連絡ください。

葛飾区危機管理課 メール:052000@city.katsushika.lg.jp